2021/12/31 23:39





今年最後のお客様からのご注文は、第三書房から1957年に出版されたゲオルゲ詩集 第一巻(小城正雄訳)でした。




奥付がドイツ語で組まれた洒落た装幀の本です。




この奥付がゲオルゲ書体であればなお面白かったのに、という思いが頭をよぎりました。


ゲオルゲが作ったフォントって何度見ても素晴らしいと思います・・



(↓写真は、ゲオルゲ独訳ダンテ『神曲』1925年第四改訂版よりゲオルゲ書体)



タイポグラフィ業界ではあまり知られていないように思いますが、

詩人ゲオルゲは自らの手書きの文字からフォントを作っていて、それがとても興味深い造形なのです。

伝統的な筆記体のなだらかさと逆方向にたどたどしく刻まれた、その手書き文字に出会ったときは衝撃を受けました。


↓(ゲオルゲ独訳ダンテ『神曲』手稿ファクシミリ版より)






この度お客様のところへ旅立った訳本の表紙には、隷書のような書体でタイトルが記されています。

もしかすると、ゲオルゲ書体をオマージュしてかもしれないと梱包しながら感じました。






ゲオルゲは何点も在庫しているのですが、なかなか全てをオンラインショップにアップできていません。来年こそは頑張りたいです。



みなさま、今年一年、誠にありがとうござました。

良いお年をお迎えください。