2022/02/17 23:34

今日、Yさん&Nさんとお話ししていて、ミツバチの話題になり、

ふと『ミツバチマーヤ』を思い出しました。
『ミツバチマーヤ』の原作は、ヴァルデマル・ボンゼルスという戦前ドイツの作家です。
以前手にしたことのある本が、挿絵などはなかったものの
とてもかわいらしかった記憶があったりして、また取り扱えないかなと、その後半日、
荒れた日本海沿いを運転している間も、頭が取り憑かれました。
(マーヤの初版は1912年です。)

実はボンゼルスは、反セム主義者(反ユダヤ主義者)であったようです。
のどかなマーヤの世界とかけ離れた背景を持っています。


ところで、ユダヤ主義〜反ユダヤ主義といえば、
『ユダヤ人ジュース』(1925年)というリオン・フォイヒトヴァンガーの小説です。
こちらも以前、きれいなジャケット付きの版を手にしたことがあり思い出深いのですが・・・
(また私の元にやってきてほしいと念じつつ)

以下『デジタル大辞泉』より↓
原題、〈ドイツJud Süßフォイヒトワンガー歴史小説。1925年刊。18世紀の宮廷銀行家ジュースの運命を描く。1934年に英国で映画化されたほか、1940年にはナチスの反ユダヤプロパガンダのために内容を歪曲した映画も製作されている。

上記のとおり、ナチスのプロパガンダのために使用されたこの小説の原作者フォイヒトヴァンガーは、実はユダヤ系で、
ドイツを追われて亡命、アメリカで反ファシズム運動を繰り広げました。


最近掲載しましたこの本は、Text +Kritikという、
ドイツの現代文学専門出版社による文芸誌のフォイヒトヴァンガー特集です。
フォイヒトヴァンガーによる文章もふたつ
(「自身を語る(Der Autor über sich selbst)」、「映画『ポチョムキン』と私の作品『成功』」)
収録されていて大変興味深いです。


それにしても、このText +Kritikの表紙デザイン・・・この感じ、とても懐かしさを感じるのは私だけでしょうか?!