2023/05/10 23:27

副業でドイツ語を教えています。実はこちらの仕事の方が、倍ほどキャリアが長いです。

先日、長らく同僚だったR先生が退職なさると同時に、一部蔵書の御整理をなさりたいとご連絡くださいました。

お宅へうかがうと、ドイツ現代文学の本の数々が私を待っていました。
クリスタ・ヴォルフやマックス・フリッシュ、アルフレート・アンデルシュ、ヴォルフガング・ボルヒェルト、ルイーゼ・リンザー、ペーター・ハントケなどなど...

いずれも戦前から存命の作家たちではありますが、
戦後のドイツで、「反戦」や「東西」問題を背負って創作してきた人々です。
私も同じ独文学部出身ではあるものの、専門は19世紀末から20世紀初頭でした。
つまりは、研究者の時は重箱の隅ばかりつついて視野が狭かったですので、まったくの門外漢
にわか勉強しながらデータをとってはオンラインストアに少しずつ掲載し、お客様を待つ今日この頃です。

日を追うごとにO先生の御蔵書が長いリストになってきますと、
一人の方の読書人生がそこから立ちのぼってくるのを感じます。

商う側のいっときの選定ではなく、長い年月かけてお客様が作られたコレクションが、そのまま古本屋の棚に並びますのは
古本屋冥利に尽きるというものです。
生憎、こちらのオンラインストアはお写真を掲載するのに時間がかかりますので、
[日本の古本屋]の方がはるかに数が多くなっております。

翻訳が出ていないものもあり、日本では手に入りにくいものばかりです。
まだまだありますので全部掲載するには時間がかかると思いますが、
ご関心を持っていただける方はたまにのぞいてくださるとありがたく存じます。

(写真は、東ドイツレクラム文庫版 『裸で狼の群れの中に』ブルーノ・アピッツ ライプツィヒ、レクラム書店、1985年刊行(APITZ, Bruno. Nackt unter Wölfen. Roman. Leipzig, Reclam, 1985. [Reclam Universal Bibliothek Band 92])

本オンラインストアの[カテゴリー]を「文学」⇨「ドイツ文学」⇨「現代文学」と進んでください。

[日本の古本屋]サイトの場合=https://www.kosho.or.jp/abouts/?id=23000380
上記のリンクから[書店内検索]に「ドイツ現代文学」と入力してみてください。