2023/05/14 12:42

今月のチルチンびと広場コラムは、

横浜公園を訪ねたことと、

2005年ごろの湯川書房さんの思い出について書きました。


ご一読いただけましたら幸甚です。

https://www.chilchinbito-hiroba.jp/column/takahashimahoshoten/538/


写真は、1989年刊行の富士川英郎のエッセイ集『本とわたし』(100部限定)です。


こちらのページには、ドイツの『マイヤー百科事典』のことが記されています。

富士川家のようにドイツ語のものがあるのは特殊だと思いますが、

戦後は、日本でも一家の居間に1セット置くことを理想とされた百科事典という存在...

現在は古本屋も引き取ることが困難なものになりました。


ドイツの百科事典といえば、マイヤーかブロックハウスです。

富士川英郎が幼少期に親しんだマイヤーのものは、おそらく19世紀初めから20世紀初頭のものでしょうか。

もし私が想像する版のものであれば、ユーゲント シュティール(アール・ヌーヴォー様式)の素敵な装丁です。

挿絵はクロモリトグラフ(多色刷り石版)です。−−上の写真中の「三色刷り」という言葉が気になりました。

と、ここまで書いて、改めて富士川英郎の生まれた年を調べますと、「1909年」です。

もっと以前の19世紀後半の版かもしれません。



余白が豊かで目にしみます。

一字でも省略してたくさんの字を組み込もうとする百科事典の世界と正反対ですね。