2023/11/21 12:12

このところ、久しぶりの方々との再会が続いています。
催しに呼んでいただいたりゼミでお話しさせていただいたり、「古書」云々の話をさせていただく機会が数回ありました。
拙い話で恐縮ながら感謝しております。

9月の展示会、gamadanさんでのトークとても楽しかったです。


先日は名古屋で、お話しながら展示もさせていただきました。
(名古屋大学文学部・人文学研究科ドイツ語圏文化学の催し。昔お世話になった方々、また会いたかった方々にお会いできてとても嬉しいひとときでした。ご企画くださった先生方、誠に有り難うございました。)

状態、版、装幀、活字、挿絵(版画)の話を一気にしたのですが、
ちょっと無茶だったかもしれません。

展示は、20世紀初頭のドイツのタイポグラフィーの重要作品を数点。
いわゆる「モダン」なものではなく中世的ゴシック書体のもの中心で、日本では珍しいように思いますのでそれは良かったのかなと思いますが、装幀関連の方は実物を少ししかお見せできず、主にはパワーポイント の写真だけだったので伝わらなかった気がしました。
(「ウィーン世紀転換期」が中心テーマだったにもかかわらず、ウィーン工房のヨーゼフ・ホフマン らの豪華な装幀本のお話するの忘れておりましたし...)

「15世紀から17世紀くらいまで同じ様式でなされていた豚革空押し細工の装幀」、「当時の装幀」、「後の時代の装幀」「版元の装幀」、「合本装幀」、「ルリユール」、「綴じていない折丁と、版画の図版部分」というような感じできちんと整理して展示すれば良かったです。




そんな洋書の装幀の重要な一部分として...上の写真は、19世紀半ばのフランス挿絵本の見返しに使われているマーブル紙です。
アメデ・バランの『蝶々Les Papillons; Métamorphoses terrestres des peuples de l’air』初版初刷より。
最近入荷しましたものです。

この種の本が属する「フランスロマン主義挿絵本」なるカテゴリー、知ったときは、ロマン主義のひとつの本場ドイツ文学出身者としてはびっくりでした。
「ロマンチックバレエ」とのつながりという視点を手掛かりに、ようやく合点がいったような気持ちになったり...
そうこうするうちに今は慣れました。「古書業界」でそうカテゴライズされてきた歴史も相当長い伝統があると知ったのです。

以下、同書より写真を数枚掲載します。