2023/12/24 23:09

クリスマスにちなんだ植物の図譜を掲載しました。

イエス・キリストと関係づけられてきた時計草です。


英国の『ボタニカル・マガジン』からの一葉です。

この花は、「パッションフラワーpassion flower」と言って、そもそもは中南米で宣教師たちが16世紀に発見したことで西欧社会にもたらされました。
雌蕊の部分が十字架に、花びらがイエスの頭にかぶせられたイバラの冠に、外側の花びらや萼は10人の聖人になぞらえられると言います。
「パッションpassion」とは「受難」の意味です。



宣教師の人々は同じころ日本にも来日したわけでした。

とはいえ、徐々にキリスト教に対する風当たりは厳しくなり迫害が始まります。


先日、非常勤先の金沢工大授業中に、学生さんがジャック・カロの版画を偶然見つけてくださり感動しました。

https://collection.nmwa.go.jp/G.1987-0201.html

これは、秀吉による「26聖人の殉教事件」を題材として描かれ彫られたものです。


開業したころ、カルロ・スピノラ の殉教図を取り扱わせていただいたご縁がありました。

スピノラは「元和の大殉教」と呼ばれる江戸初期の殉教事件で処刑された宣教師です。


我が家の近くの竹林は、国外に追放される前のキリシタン大名高山右近が住んでいた場所と聞いたことがあります。

そこには夏になるとカラスウリの白い花がひっそり咲いていますが、時計草の花弁とも似た美しさです。