2024/08/16 08:46


慌ただしく8月も半ばになりました。


今年は、非常勤のドイツ語の授業がいつもより多くなってしまい、
前期はバタバタでした。
そのせいで金沢の交換会には全然行けなくて、ちょっと困ったなという感じです。
後期が始まる前に、9月には一度神保町に行かないとと思って計画しています。
ただおかげさまで仕入れはかなりあります。査定が追いつかなくて待っていただいているかたには
つくづく申し訳ありません。

大学は夏休みに入りましたので(採点などまだまだ山積みですが)、
少し一息ついたところです。

先週末(8月9日)は、金沢美術工芸大学の装飾研究会で発表させていただきました。
アドルフ・ロースがテーマとのことで、21世紀美術館の本橋仁さんと。
14年ぶりくらいのウィーン分離派周辺の「装飾批判」の話題。
(金沢へ来てからはウィーン工房のエマヌエル・マルゴルトについてなども調べておりましたけど、
それは日本での受容についてがメインだったので、正面きってウィーンの話は本当久しぶりでした。)
準備が楽しすぎて自分の世界に入りすぎ、本番はずいぶん右往左往であたふたしたものになってしまいました。
ロースとあわせて、ヘルダーやヴィンケルマンも少し読みまして楽しい日々でした。
引き続き読んでいきたいなと思っています。

その前の週(8月2日)には、草間喆雄さんの講演がやはり金美でありました。
草間さんは両親の友人であり、幼い頃から知っている方です。
年をとった私が体験する草間さんの作品とお話しは、改めて新鮮で、また若い頃の色のない作品の数々にも感動しました。
奥様のヒロエさんと講義室に並んで座ってニコニコいる自分の姿もおかしく、一期一会の時間でした。

さらに、7月17日には、金沢工業大学で坂本泰宏さんとの講義がありました。
私が担当している「グローバル社会(ヨーロッパ)」という授業にゲストスピーカーとして来ていただいたのですが、
これまた素晴らしく楽しかったです。
坂本さんとは20年ほども前の大学院の頃のベルリンへの留学以来の親交です。
ドイツ語の授業にともに出たことも懐かしく、寮の近くのアイスクリーム屋の話題共有も。
授業では、ベンヤミンの「アウラ」概念を紹介した上で、ガリレオ・ガリレイの書物の贋作をめぐるあれこれ、とても興味深い話題をしていただきました。

したいことたくさんで頭混乱しますが、みなさまとのご縁に感謝しつつ張り切っていきたいと思います。

写真は、ウィーン、ミヒャエル広場の王宮のほうから眺めたロースハウス、もう10何年も前の、です。