2025/02/21 15:59

ノイエ・ザッハリヒカイトは、ドイツの芸術運動のひとつです。新即物主義とも訳されます。
1925年、マンハイム市立美術館のグスタフ・フリードリヒ・ハルトラウプにより企画された『ノイエ・ザッハリヒカイト(新即物主義)──表現主義以後のドイツ芸術』という記念碑的な展覧会から今年(2025年)100周年ということで、ドイツ書専門の弊店といたしましては、お祝いしたいと思っております。
ただし、起源は第一次大戦前にさかのぼることもでき、美術のみならず、写真や彫刻、文学をも含む広範囲な規模で展開された運動です。
カンディンスキーらの抽象絵画が華々しく始まったのち、具象への振り戻しがありました。ノイエ・ザッハリヒカイトはまさしくその現象を指すとも言えるかと...
抽象と具象が入り乱れるこの時期の芸術、社会風刺的な要素が強く、一見グロテスクなものが多いですが、とてつもなく惹きつけられます。ナチスにより厳しく弾圧されつつ抵抗した芸術という側面もあります。
ドイツ語を学び始めた若い頃、京都のゲーテ・インスティトゥートで、この芸術運動についての講義があり受講しました。素晴らしい思い出です。その前だったかその後だったか忘れましたが、ベルリンのNeue Nationalgalerieで重要な作家たちのオリジナルの作品を鑑賞したことも忘れられません。「くらった」という言葉がありますが、文字通りそうでした。その場では、ある展示会場ではオットー・ディクスらの戦争画の特集も企画されていたように思います。若かった私が夢中になったように、今の若い人の心にもきっと響くはずと、永遠の古典的モダニズムとしてご紹介したいです。
*「ノイエ・ザッハリヒカイト100周年」カテゴリーも新しく作りました*