2025/06/25 00:34

日々データどりに明け暮れています。

ここまで調子の良いのは何年ぶりでしょうか..

データどりと言いますのは、古書籍商がカタログ(目録)作りのための本のデータを取ることです。
お客様に新入荷の本について知らせるための、また、在庫の整理にもつながる重要な仕事です。
物珍しい本になりますと、書誌的にも調べて解説を書きます。

私はこの作業が好きで古本屋になりましたので、もうこの作業がないと生けていけないと行っても過言ではないのですが、開業するといろんなことが忙しくて、満足なデータどりが出来ない時間が随分と、いやほとんどでした...(もうすぐ開業して10年となりますが、実に辛い10年間だった...というと、嘘?大袈裟?ですが、正直想像以上の厳しい年月だったです。)

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日本の古本屋への掲載に加えて、近々二つの目録を発行予定です。

一つはいつもの金沢書友会(年に2回の石川古書組合メンバー同人目録)です。
二つ目は「すみれのたより」第二輯です。今度は目録が半分ほどになる予定です。

すみれのたより第一輯についてのチルチンびとコラム:

ちなみに、
先日提出した書友会原稿を見直しましたら、著者を記し忘れたデータが二つも...
いつものことながら自分のおっちょこちょいには泣かされます...



それはそうと、
今日は、Uさんがすみれのたより編集のために来てくださいました。
今回のすみれのたよりは目録をテキスト部分と一緒に刷るため、表紙が表からも裏からも始まります。
つまり、片方が縦書きでもう片方が横書きだから(弊店はおもに洋書専門だから横書きでないと辛いですので)です。

そんなわけで二つの表紙案作っていたただいたら、思いの外うまくいったようで、嬉しくなってもう完成のような気持ちに。

テキストの側は、ドイツの文芸誌といえばの!インゼル誌第一号の目次ページを参考にしてもらいました。
蓜島亘さんも遠くからたくさんの表紙参考図案を見せて遠隔ご参加くださいました。

さらにもう片方の目録ページ側は、掲載予定のルドルフ・コピッツの写真を入れて組んでみていただきました。
クルト・シュヴィッタースのパンフレットなど参考にしてただいたら、思いの外すんなりおさまり、喜びが湧き上がってきました。感謝です。

(それで今気づいたのですが、ルドルフ・コピッツRudolf Koppitzの日本語記事ってあまりないのかもしれない...大変重要な写真家だと思うのですが...負けずに紹介しつつ張り切っていきたいと思います!)



写真は、上記コピッツではないですが、(やはり目録で紹介したいのですので)、これまでもご紹介してきました、ダダイスト ラウル・ハウスマンの、余裕の魅力的作品(戦後)です。


すみれのたより次号テキスト分は、堀部功夫さんのご参加が中心になります。今回はセザール・フランクにかかわるものですが、やはり別次元の本好きすぎる内容です。510ページにわたる『中勘助考』もつい最近上梓されました。



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堀部先生、私が開業してすぐに目録作りを始めた時、「目録はもっと時間をかけて、じっくり集めてから」と言ってくださいましたね。ほんの少し私その世界に近づけてきているでしょうか。お身体大切になさってください。

(ってご本人インターネットをなさるわけもないのでこちらご覧になるはずもなく、お手紙に書かねばならないのですが、最近投函の手紙には私ろくな日本語書けず....とほほ)